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2007.07.04 (Wed)

月の砂漠

 月の砂漠を はるばると 旅の駱駝がゆきました 
金と銀との鞍置いて ふたつ並んでゆきました 

 金の鞍には金の瓶 銀の鞍には銀の瓶 
二つの瓶はそれぞれに 紐でむすんでありました

 さきの鞍には王子様 あとの鞍にはお姫様 
乗った二人はおそろいの白い上着をきてました

 廣い砂漠をひとすじに ふたりはどこへゆくのでしょう 
朧にけぶる月の夜を対の駱駝はとぼとぼと

砂丘を越えてゆきました 黙って越えてゆきました 


これは私が幼い頃に父に良く唄ってもらった曲です。

ご存知の方も沢山いらっしゃると思うんですが懐かしく思い出しています。
先日友人と父の事について話しました。

長い入院生活を送っていたのにほとんど見舞いに行く事もせず、明日でいいわ、
などと一日伸ばしにしていたことを後悔しています。

漁師町で育った父は魚捌きがとても上手くサラリーマンだったとは思えないくらいの腕前でした。
ここに嫁いできたときも新鮮なカツオが手に入ったからとカツオのたたきを披露してくれたり
子供の離乳食にイトヨリでそぼろを作ってくれたり、つみれ団子のおつゆとか
あげれば枚挙にいとまがありません。

魚捌きは上手くはないんですが、見て育ったおかげでそれなりに出来ますが父ほど上手くないので
もっと早く教えてもらっていたらよかったと悔やむ事ばかりです。
入院生活の上ではお見舞いに頂いた胡蝶蘭やその他の花を甦らせる事にも長けていて、
詰め所の前は復活した花たちで賑わっていました。

たまに病院へ行くとボトルシップを始めた、とビンの中に帆船が。
一番初めはビンの中にタバコを入れてタバコも一本一本ピンセットで
ビンの中に入れた箱の中に入れてゆく。
その手元を見つめながら同じように息も止める。

ボトルシップは展示会にも出品されました。

折り紙やボトルシップ、編み物に至るまで何でもこなす父。
私に鉤針編みを教えてくれたのも父でした。

入院生活の長さが伺えます。
大好きだった父に孝行の真似事が出来た事がたった一度だけあります。

昔から釣りが好きで、なかなか連れて行ってあげることが出来なかったのです。
子供が小さいこともあってセダンから車を買い替える事になったのですが
そのときにキャンピングカーを購入することにしました。

ある程度向こうに作ってもらい思うようにしたいところは自分で作るという半分ハンドメイド。

それが出来上がったときに父を釣りに連れて行ってあげました。
少し遠くまで、二度目は近くで病状が進んでいて
あまリ遠くまではいけなくなっていたからです。それでもとても喜んでくれました。
孫達と一緒に釣り糸をたれる・・父にとっては至福の時だったのではないでしょうか。

息子が脳腫瘍で手術が決まったときも当日来てくれました。
前後15時間にもわたる手術にも付き合ってくれました。
具合が悪くなっても病院だからと・・・その父ももういません。

父の愛情をいっぱい受けて育った私は父にあまり優しくする事はありませんでした。
こうやって思い出してあげる事が精一杯の供養になると信じています。

実に個人的なことを書いてしまいました。ここまで読んでいただいたことを感謝します。
いつもながらの長文読んでいただいて有難うございます。

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